『同文韻統』

2007年8月27日0 コメント

『同文韻統』とは、章嘉呼図克図によって乾隆十四年(1749年)に編纂された、梵字、チベット文字、満州文字、蒙古文字、漢字の対応表を附した書である。『欽定同文韻統』または『御製同文韻統』とも題され、6巻本の版と8巻本の版がある。

著者の章嘉呼図克図(章嘉活仏)は、中国内モンゴル地区で信仰されるチベット仏教最大の活仏であり、清代に内モンゴルのチベット仏教を取り仕切っていた。章嘉一世は元の名を張家といい、後に章嘉と改名した。呼図克図(ホトクト)はモンゴル語で聖者を意味する。なお、母寺は青海佑寧寺(かつての郭隆寺)である。

筆者の手元にあるのは、台湾で民国67年(1978年)に刊行された新文豊出版公司による『同文韻統六巻』の影印本で、単行本として刊行されている。

・第一巻・・・「天竺字母譜」として梵字(悉曇文字?)、チベット文字、満州文字、蒙古文字(アリガリ文字を含む)、漢字の対応表
・第二巻・・・「天竺音韻翻切配合十二譜」
・第三巻・・・主にチベット文字の重子音についての表からなる。チベット文字と満州文字、蒙古文字、漢字の対応表
・第四巻・・・「天竺西番陰陽字譜」として、そのうち「天竺音韻十六字」、「天竺翻切三十四字」、「西番字母三十字」、チベット文字、満州文字、蒙古文字、漢字の対応表で、表中に梵字は含まれない。
・第五巻・・・「大蔵経字母同異譜」
・第六巻・・・表音字として用いられた漢字と、個々の発音についての詳細。

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