モンゴルで月名を表す伝統的な方法として、春夏秋冬を用いるものがある。それぞれの季節ごとに初中末の区別を設け、春の初、春の中、春の末、夏の初、夏の中、夏の末・・・のように表すもので、4×3で12ヶ月となる。
それ以外にも、十干十二支を用いて月日を表す方法がある。月名は十二支によって、日付は十干十二支によって表される。
以下に季節を用いた月名と十二支を用いた月名の対応を記す。なお、これらの表し方は現在では占いなどの限られた場面で使われるのみで、モンゴルでは日常的には数字によって年月日が表されている。
春初=寅月=1月
春中=兎月=2月
春末=辰月=3月
夏初=巳月=4月
夏中=午月=5月
夏末=未月=6月
秋初=申月=7月
秋中=酉月=8月
秋末=戌月=9月
冬初=猪月=10月
冬中=子月=11月
冬末=丑月=12月
また、新年を迎える月は特にツァガーン・サルと呼ばれる。
【ツァガーン・サル】 白い月を意味し、モンゴル暦の年の初めの月を指す。ツァガーン・サルを迎えた数日間はモンゴルで最大の年中行事として祝われる。チンギス・ハーンの時代から祝賀した記録があり、当時は九月が年の初めだったとの説もある。フビライの時代には一月が年頭だった。現在、ツァガーン・サルを祝う日にちは、モンゴル国ではチベット仏教に由来する暦法に基づいて決められているのに対し、内蒙古では漢民族の旧暦(農暦)の元旦に相当する春節の時期に合わせるのが普通である。
<参考文献>
金岡秀郎 『モンゴルを知るための60章』 2000年, 明石書店
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