モンゴル語正書法

2006年1月16日0 コメント

【文字と表記】 モンゴル国では主にキリル文字が表記に使用されているが、その綴り方は国で定められた正書法に従う。

【制定の経緯】 モンゴル人民共和国時代にモンゴル人民革命党の指導の下に、モンゴル国内の作家が中心となって正書法が定められた。1941年11月19日、新モンゴル文字中央委員会によって、正書法に関する草案が提出された。

【キリル文字化】 1941年にモンゴル人民革命党、モンゴル人民共和国の内閣によってキリル文字化が決定された。

【アルファベット】 ロシア語のアルファベットにモンゴル語特有の二文字(ө, ү)を加えたもので、33文字と符号2つからなる。短母音と長母音は書き分ける。

【7子音(эгшигт долоо)】 必ず直前または直後に母音を綴らなければならない子音。[м, н, г, л, б, в, р]の7つ。モンゴルバーバルと覚える。

【9子音(заримдаг ёс)】 ときには直前または直後に母音を伴い、ときにはどちらにも母音を伴わないで綴られる子音。[д, т, ж, з, с, ш, ч, ц, х]の9つ。

【基本的な正書法のルール】 語にsuffixを伴うと最終音節の母音は弱化するが、これらの母音は以下の場合には綴らない。

1. 語末がгの男性語+suffix(女性)
2. "ж, ч, ш, к"+suffix(女性)
3. 母音で始まるsuffixを伴う場合、語尾の子音が以下の組み合わせならば母音は綴らない。

・[⑦]+⑦
・[⑨]+⑦
・[⑦-⑨]+⑦
・[⑦-⑨-⑨]+⑦

【例外的な規則】
上記の基本的ルールに従わない例外的な規則がある。以下の場合には母音を綴る。

1. 7子音の直前または直後に母音が必要となる場合。
2. 舌先のнの後ろの母音。男性語の舌先のгの後ろの母音。
3. 動詞の基本形の"-х"の前の母音。
4. ⑨+⑨ 9子音が二つ続いた後の母音。
5. 固有名詞や借用語
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