モンゴル語古典作品

2006年1月16日0 コメント

【チンギス・ハーン碑文】 1225年に作られたと言われる。チンギス・ハーンの甥イェスンゲの弓射の技術を称えた碑文。モンゴル語最古の記録とされる。

【ゲセル物語】ゲセル・ハーンを主人公とする英雄叙事詩。ガンジス河からシベリアのアムール河にかけて広く伝わる民間口承文芸。チベットバージョン、フフ・ノールバージョン、モンゴル書面バージョン、ブリアートバージョンがある。

【ジャンガル物語】ジャンガルを主人公とする英雄叙事詩。モンゴル西北部を中心に伝わる民間口承文芸。その記録作業は19世紀になって始められた。ハルハバージョン、オイラトバージョン、カルムイクバージョンがある。

【元朝秘史】モンゴル秘史とも呼ばれる。13世紀に書かれたチンギス・ハーンの一代記。天命を受けて降った「蒼き狼」を先祖とするチンギス・ハーンが、幼少時の苦難を乗り越え、やがて世界の覇者となっていく物語。明代に漢字音写したものが伝わるが、原書の文字はいまだ不明。語頭摩擦音の存在などから、[モンゴル文字→パスパ文字→漢字]の順で転写された可能性もある。

【アルタン・トプチ】「黄金の概説」の意。黄金史とも呼ばれる。内容の8割が『元朝秘史』と重複するが、仏教色が強い。

【エルデニーン・トプチ】「宝の概説」の意。通称、蒙古源流と呼ばれる。1655年にチンギス・ハーンの子孫が書いたもの。明・清までにいたるモンゴル史。

【蒙古老乞大】18世紀半ばに書かれた、蒙古語文語に諺文による音訳と解釈をつけた書。

【ホホ・ソダル】「青史演義」、「青冊」とも呼ばれる。1870~90年にかけて、インジャンナシによって書かれた。元朝について描いた歴史小説。その文体は今日のモンゴル語の文章の規範となっているという。

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