モンゴルの宗教

2006年1月16日0 コメント

【オボー】 道祖神のようなもの。円錐形に石を積み上げたもので、通りがかった者は石を投げ入れながら右回りに巡回してお参りする。モンゴル最古の宗教的伝統のひとつとされる。地方ごとに決まった日にオボー供養祭が行なわれる。モンゴルの伝統行事ナーダムも、もともとオボーの供養祭のひとつだった。

【アニミズム】 チンギス・ハーンの時代は、青いテンゲル(天)または火を崇拝していた。これらは今でもモンゴル人の民間信仰の中に息づいている。狼や魚などを崇拝する民間信仰も残っている。

【テンゲル】 テンゲルとは天または神を意味する。日本人が「神さま仏さま」と唱えるように、モンゴル人は「ボルハン(仏)、テンゲル(神)よ」と唱えることがある。

【ボー信仰】 自然崇拝、先祖崇拝などが合わさったシャーマニズムの一種。モンゴル語でシャーマンをボーと呼ぶ。主に内蒙古東北地方、モンゴル北西部のフブスゴル湖周辺に伝わる。内蒙古のアンダイ舞踊はシャーマニズムがその起源だとされ、その呪術的な方法は自律神経失調症の治療を彷彿とさせる。フブスゴルのシャーマンはモンゴルの少数民族であるツァータンが多い。最近では仏教伝来以前のモンゴルの伝統宗教として見直されており、モンゴルシャーマニズム協会なども創設された。

【道教】 チンギス・ハーンは道教にも関心を寄せ、不老長寿の教えを乞うたという。

【チベット仏教】 チベット密教、ラマ教とも呼ばれる。大乗仏教の一種で活仏制度がある。チベット、ブータン、モンゴル、満州にかけて広く伝わる。かれら仏教徒は仏法僧の三宝に加えて自分の師匠であるラマ僧を崇拝する。モンゴルにチベット仏教が伝わったのはオゴデイ・ハーンの時代で、サキャ派の僧によって伝えられた。清朝期にはモンゴル人の四割が出家してラマ僧になったため、人口が激減した。共産党支配の時期には宗教は弾圧され、仏教寺院の多くが破壊された。現在では仏教寺院の修復などが進められている。

【キリスト教】 社会主義の崩壊以降、急激な勢いで外国からのキリスト教の布教が増えた。伝統的なキリスト教から新興宗教まで数多くの宗派が伝道を続け、一部の日本人もボランティア活動などを行なっている。ただし、モンゴルの伝統文化を破壊するなどとモンゴル人からの批判の声もある。

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