モンゴルの茶葉

2005年8月25日1コメント

モンゴルの伝統的なお茶はスーテー・ツァイ(内蒙古方言ではスーテー・チャイ)という、茶を煮出して塩を入れた乳茶(ミルクティー)だ。茶葉には磚茶という種類のお茶を用いる。

磚茶とは、お茶の葉を茎ごと圧縮してレンガ状に固めたもので、このように圧縮成型されたお茶を総称して緊圧茶ともいう。緊圧茶は、中国で主に少数民族地域向けの出荷用に製造されてきた。磚茶の茶葉の分類としては、各種ある中国茶のうち黒茶に属する。この黒茶とは、いわゆる後発酵茶と呼ばれるもので、加熱後に麹や酵母によって発酵して作られる。六堡茶やプーアル茶なども黒茶の仲間だ。

主にモンゴル茶に用いられているのは、磚茶のうち青磚茶という銘柄のお茶である。中国のサイトで調べたところ、まれに黒磚茶という銘柄が用いられることもあるようだ。中国では、内蒙古自治区、新疆ウイグル自治区、青海省などのモンゴル人居住地域において、概ねこの磚茶を使用しているが、モンゴル国では現在、キルギス共和国やグルジア共和国製の茶葉もモンゴル茶の材料として好まれている。また、最近ではモンゴル国で袋詰め、製造されたモンゴル茶用の茶葉も出回っている。


青磚茶は別名を蒲圻羊楼洞磚、あるいは川字茶といい、原料として用いられる茶葉は老青茶という黒茶である。産地は湖北省咸寧地区で、清代には蒲圻羊楼洞で作られていた。レンガ型に成型された青磚茶の表面には「川」の字が刻まれているが、これは昔「三玉川」という茶庄がつくる青磚茶が有名であったことからきており、現在では商標として用いられている。川字茶とも呼ばれるのはこのためである。

青磚茶が最初に作られ始めたのは1890年前後で、当初は茶葉を固めて小さな籠に入れて北部へ運搬された。後に磚茶として作られるようになった。昔の規格では「二七(一箱27枚)」・「二四(一箱24枚)」・「三六(一箱36枚)」・「三九(一箱39枚)」の4種類があった。「二七」と「三九」は約2kgで西口茶と呼ばれ、西北部へ運ばれた。「二四」は約3.25kg。「三六」は約1.5kgで、東口茶と呼ばれ、モンゴルやロシアへ運ばれた。1940年代以降は「二七」のみが製造されるようになった。その大きさは約34cm×約17cm×約4cmで、形状は直方体である。





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プーアル茶の茶いって感じかな??

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